なんかモノもらった!けどこれの会計処理ってどうすんの? 受贈品の注意点②

超入門編

 

昨日の記事『なんかモノもらった!けどこれの会計処理ってどうすんの? 受贈品の注意点①』をまとめきれないという悲劇が起きたため、続きをまとめました。

今回は「自社で使うものをもらった場合」です。

 

おさらい

前回『モノをもらったら、収益になる』ということと、消費者の方などに配るサンプル品をもらった場合の処理について解説しました。

今回は固定資産、自社で使うものをもらった場合の処理についてです。

 

 

自社で使うものをもらった場合

サンプルのように配るものではなく、自社で使うもの、たとえば机やイス、棚、冷蔵庫などをもらうことがあります。

この場合、大変ややこしいのですが、

  • 宣伝目的であることが明らかな、陳列棚・陳列ケース・冷蔵庫・容器・車などに該当するかどうか
  • いくらのものなのか

の順に考え、処理を分けていくことになります。

 

宣伝目的であることが明らかな陳列棚などの場合

特に飲食店が多いのですが、ビール会社などから、そのメーカー(キ◯ン等)のロゴや社名がついた棚や冷蔵庫を、無料(または格安)でもらえることがあります。

この場合、そのモノがいくらのものかメーカーさん等に聞いて、

そのモノの購入金額の3分の2 が、30万円以下かどうか、で処理が分かれることになります。

(支払った金額があれば、3分の2からその支払った金額を差し引いた後、30万円と比較します)

 

30万円を超える場合

30万円を超える場合、固定資産として計上し、減価償却によって時間をかけて費用にしていくことになります。

この場合の取得価額(減価償却のもとになる金額)は、そのモノの購入金額の3分の2で計算します。

(上と同じように、支払った金額があればそれを差し引いてOKです)

 

仕訳としては、

固定資産(種類によって変わります) / 受贈益

となります。

 

30万円以下の場合

30万円以下の場合は、受贈益を計上しなくても大丈夫です(必要な会計処理はありません)。

どちらかというとメーカーの宣伝のためのものですし、影響も大きくないので、それほど厳密に管理しなくてもいいでしょう、という例外的な取り扱いですね。

 

(例外)看板、ネオンサイン、どん帳など

看板、ネオンサイン、どん帳のように、宣伝目的以外に使えないようなものの場合、お店としては場所を貸してあげているという面もあります。

なので、これらもは金額に関係なく受贈益を計上しなくても大丈夫です。

 

「宣伝目的であることが明らか」ってつまりどういう状況?

税金関係ってこういう決まりが多いんですよね。

こればかりは実態を見て、「世間一般的に見てどうか」というあいまいな基準で判断するしかありません。

たとえば、

  • でかでかとお客さんに見える位置に社名が書いてあれば「明らかに宣伝目的」と言えるでしょうし、
  • 誰も見ない棚の裏側にこっそり社名が書いてあるだけであれば、「明らかに宣伝目的」とは言えないでしょう。

なので、実際のモノを見て、顧問税理士さんと相談しながら処理を決めるのが望ましいでしょう。

 

根拠

どういうものが該当するのか、上で簡単に書きすぎてしまったので、根拠となる通達も載せておきます。

(1)(2)(3)が具体的なモノの例ですね。

 

(広告宣伝用資産等の受贈益)
4-2-1 販売業者等が製造業者等から資産(広告宣伝用の看板、ネオンサイン、どん帳のように専ら広告宣伝の用に供されるものを除く。)を無償又は製造業者等の当該資産の取得価額に満たない価額により取得した場合には、当該取得価額又は当該取得価額から販売業者等がその取得のために支出した金額を控除した金額を経済的利益の額としてその取得の日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、その取得した資産が次に掲げるような広告宣伝用のものである場合には、その経済的利益の額は、製造業者等のその資産の取得価額の3分の2に相当する金額から販売業者等がその取得のために支出した金額を控除した金額とし、当該金額(同一の製造業者等から2以上の資産を取得したときは当該金額の合計額)が30万円以下であるときは、経済的利益の額はないものとする。(昭55年直法2-8「十四」、平元年直法2-7「一」、平14年課法2-1「十三」により改正)
(1) 自動車(自動三輪車及び自動二輪車を含む。)で車体の大部分に一定の色彩を塗装して製造業者等の製品名又は社名を表示し、その広告宣伝を目的としていることが明らかなもの
(2) 陳列棚、陳列ケース、冷蔵庫又は容器で製造業者等の製品名又は社名の広告宣伝を目的としていることが明らかなもの
(3) 展示用モデルハウスのように製造業者等の製品の見本であることが明らかなもの
(注) 広告宣伝用の看板、ネオンサイン、どん帳のように、専ら広告宣伝の用に供される資産については、その取得による経済的利益の額はない。

法人税基本通達

 

 

上記の「宣伝目的のもの」以外の場合

仮の話ですが、たとえば友達の社長さんが「いらなくなったから」と言って机やイスなどをくれたとします。

この場合、その金額で処理を分けていくことになります。

 

金額が30万円(※)以上の場合

こちらは固定資産として計上し、減価償却によって時間をかけて費用にしていくことになります。

仕訳としては、

固定資産(種類によって変わります) / 受贈益

ということですね。

 

(※)当記事は小さめの規模の会社さまを対象としているため、中小企業者等の少額減価償却資産の特例が使えることを前提としております。

 

金額が30万円未満の場合

もし金額が30万円未満であれば、「消耗品費」などの勘定科目で、全額を費用にすることができます

つまり、

消耗品費 / 受贈益

という仕訳になりますので、プラマイゼロで利益に影響はありません。

更に20万円未満であれば、「一括償却資産」という償却資産税がかからない処理のしかたもありますので、会社さんの状況によって判断をするとよいでしょう。

 

もらったモノなのにどうやって金額決めるの?

これが一番難しい問題です。

一番わかりやすく、資料として有力なのは、中古品を販売している業者のサイトから、同じものを見つけ出してくることかと思います。

幸いいまは色んなサイトがあり、検索することができますので、同じもの(同じようなもの)を探して、それと大体同じ値段をつけるのがベターと言えます。

(根拠を示す資料として、日時をつけてそのページを印刷しておきましょう)

 

 

まとめ

というわけで、今回は

  • 自社で使うものをもらった場合

の処理についてまとめました。

 

事例としてはそれほどないかもしれませんが、「タダだから何も処理しなくていいだろう」ではなく、税務署から何か言われるリスクがあることも把握しておきましょう。

 

 

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