均等割の月数の具体的な数え方 「暦に従って計算し」とは

やや難しめの税金・会計話

 

税理士事務所(会計事務所)の方向けに、今日は均等割などの月数の具体的な数え方についてまとめてみます。

 

「暦に従って計算し」とは

前提

冒頭からなんなんですが、ほとんどの場合はこんな疑問は抱かず、「具体的な数え方もなにも端数が出てる月を切り捨てればいいだけでしょうよ」という考え方で処理ができるはずなんです。

ただ私が今まで当たったもののなかに、たまたま

10/31 ~ 2/28

という事業年度の案件がありまして、私はなんとなく4カ月かな、と思っていたのですが、某ソフトで自動計算したところ「5カ月」と出てきてたまげる、という事件が起きたのでした。

 

「暦に従って計算し」とは

で、とりあえず地方税法の条文読んでみるかと思って読むと、「暦に従って計算し」と書いてある(均等割も資本割も)。

 

(法人の均等割の税率)
第五十二条 [中略]
3  第一項に定める均等割の額は、当該均等割の額に、前項第一号の法人税額の課税標準の算定期間、同項第二号の連結事業年度開始の日から六月の期間若しくは同項第三号の連結法人税額の課税標準の算定期間又は同項第四号の期間中において事務所、事業所又は寮等を有していた月数を乗じて得た額を十二で除して算定するものとする。この場合における月数は、暦に従つて計算し、一月に満たないときは一月とし、一月に満たない端数を生じたときは切り捨てる。
[後略]

地方税法(e-Gov参照)

なので、次の疑問は「暦に従って計算し」ってなんじゃい、というものです。

 

 

国税通則法にあった

国税通則法を読んでみた

更に国税通則法を読んでみると、

 

(期間の計算及び期限の特例)
第十条  国税に関する法律において日、月又は年をもつて定める期間の計算は、次に定めるところによる。
一  期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるとき、又は国税に関する法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。
二  期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。
三  前号の場合において、月又は年の始めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
[後略]

国税通則法(e-Gov参照)

これはこれでなんじゃいと思ったのですが、どうやら調べてみると

10/31スタート → 11/30 → 12/30 → 1/30 …

と数えていくのがつまり「その起算日に応当する日の前日に満了する」ということのようなんですね。

(本当は最後の月でだけそう考えるのですが、私は順を追ってカウントしていったほうがわかりやすかったので、説明の都合上そうしています)

 

計算してみた

「なーんだじゃあ『最後の応当日の前日』は2/30だから、『一月に満たない端数を生じたときは切り捨てる』、つまり2月は切り捨てればいいんだね☆」と迂闊な私はよく読まずに考えました。

すると、

 

11/30で1カ月、

12/30で1カ月

1/30で1カ月、

2/30はないから切り捨て

 

あれ、3カ月になった!?という事件が起きました。

 

ただし書き読んでみた

感覚では4カ月、某ソフトは5カ月、条文読んで計算してみたら3カ月、とわけのわからない状況になり、混乱していたのですが、改めて同じ条文を読んで、

 

(期間の計算及び期限の特例)
第十条  [中略]
三  前号の場合において、月又は年の始めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

国税通則法(e-Gov参照)

というただし書きがあることに気づきました。

『最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する』

つまり2/30がないときは2/28(2/29)に満了する。

 

11/30で1カ月、

12/30で1カ月

1/30で1カ月、

2/30はないから2/28で1カ月

合計4カ月

 

で4カ月が正しいのであろうという結論に至りました。

 

 

(余談)民法にもほぼ同じ規定がある

上では省略して書きましたが、最初から国税通則法に行き着いたわけではなく、民法の規定に気づいたのが先でした。

 

(暦による期間の計算)
第百四十三条  週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。

2  週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

民法(e-Gov参照)

で、「民法で定められた規定を一般法として適用しているってことなのかな」とよくわからないながらに思っていたのですが、ちょうどそのとき林修三さんの『法令用語の常識』を読んでいたら

「国税通則法にも民法とほとんど同じ規定があるよ」

という記述があったので気づいたという次第です。

 

 

まとめ

というわけで「暦に従って計算し」という文言が出てきたら

月又は年の始めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

という国税通則法の規定に従って考えればよい、という内容でした。

 

某ソフトが10/31を1カ月としてカウントしてしまっていたのか、2/30を3/2と計算したうえで3月だけ切り捨てる処理をしたのかわかりませんでしたが、やはりソフトをむやみに信用せず、きちんとした知識を身につけないとダメという教訓を改めて得た事件でした。

 

 

 

 

にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ
読んでくださってありがとうございました