税理士と会計士の違い

超入門編

 

前回の『税理士の仕事内容』の記事に収まりきらなかったため、2つに分けたのですが、今回は税理士と会計士の違いをまとめました。

ところで、料理人の知人と話をしているとき「調理師とパティシエでは必要な技能がまったく違う」と聞いたことがありまして、「つくるものが違うだけ」程度の認識でいた私はいたく驚きました。

ほかの業界から見たら税理士と会計士もそれに似た認識を抱かれるんだろうなあと思います。

 

税理士と会計士の違い

会計士の方は正確には「公認会計士」と言います。

「公認会計士」って長いせいか「会計士」と省略されることが多いように感じます。

 

公認会計士の主な仕事

最も主な仕事は「監査」の仕事です。

上場している会社、株主がたくさんいる会社や、学校法人など少し特殊な会社は、「法定監査」といって監査を受けることが法律で義務づけられています。

「監査」とは、その会社さんの貸借対照表や損益計算書が正しくつくられているか、率直に言うと粉飾などがないかをチェックすることを言います。

 

お客さまの違い

そのほかも、

・会計処理だけでなくシステムが正しく機能する仕組みになっているか検証したり、

・株の売買の際に適正な価格を調べたり、

・コンサルティングもしたり、

と様々な仕事があるのですが、税理士と会計士の違いのうち一番大きいのは、

 

お客さまの規模の違い

 

ではないかと個人的に思っています。

・税理士 → 中小企業

・会計士 → 大企業

という感じですね。

 

知り合いの会計士さんの話だと、大企業だと「100万円以下(場合によっては10億円以下)なんて無いものと同じだ」ぐらいの感覚になるそうなんですね。

(決算書の表示単位が「百万円」「十億円」になるので、それより小さいと端数処理されてしまうためです。1,000,000円、1,000,000,000円と、この「,(カンマ)」に対応しています)

大企業の数十万円は、個人の数百円に近いような感覚でしょうか。

私は小心者なのですが、それでも100円の飲み物を買うのにそれほど悩むことはありませんので、大企業からしたら10万円の買い物ぐらいなんでもないのでしょう。

 

資格の難易度・取りやすさ

少し話は変わりますが、とるのが難しいのは公認会計士の資格です。

公認会計士の資格は、医師・弁護士と並んで「三大国家資格」と言われており、公認会計士の資格を取得したあと税理士会に登録することによって、税理士になることもできます(※)。

税理士 < 公認会計士

というわけですね。

 

私は以前「もしこれから勉強するならどっちがいいかな」と友人から聞かれた際、

1.まずそれぞれの仕事の内容を調べてみる

2.見たい会社の規模を考えてみる

3.試験勉強にあたって自分がどれぐらいの時間がとれるか考えてみる

というようことをしてから判断してはどうか、と答えました。

 

3の「どれぐらい時間がとれるか」というのは、

・税理士 → 長い時間がかかるが、働きながら合格を目指せる

・会計士 → 多くの人は試験勉強に専念して、短期間で合格を目指す

と試験勉強のペースが違うから、という意味です。

(あくまで一般的な傾向です。税理士試験でも専念する方はいますし、公認会計士試験でも働きながら合格される方はいます)

 

(※)2017年(平成29年)4月1日以降に公認会計士試験に合格した方については、税理士登録をするには税法の研修を受ける必要があるそうです。

 

 

(余談)計理士ってなに?

更に話がそれますが、ご年配の方だと「計理士(けいりし)」という呼び名を使われる方も時々いらっしゃいますね。

この「計理士」という資格は昔(1967年頃まで)あった資格で、今はないのですが、多分名残で名前が残っているんでしょう。

社長さんとかだと「うちの会計士」というように、税理士のことも「会計士」と呼ぶ方もいらっしゃいますので、「税理士 ≒ 会計士 ≒ 計理士」という状態になっていることがままあります。

 

違いについて書いておいてなんですが、世間一般で厳密な区分けがされているわけではありませんから、「計理士」以外であればどちらでも気にする必要はないと私個人は思います。

(「計理士」だと「だれ?経理士?」になってしまう可能性があるので^_^;)

 

 

あとがき

私は何より中小企業が好きだったから税理士を選びましたし、税理士の仕事自体もすごく好きです。

日本の企業の99.7%(2016年版中小企業白書より)を占める中小企業の力になって、よりよい経営を、より長く続けていく一助になれれば、それがまわりまわって日本の活力になると思っています。

 

なお、独立して税理士と同じような業務をされている公認会計士の方も多くいらっしゃいます。

この場合は上で述べたような違いはそれほどありませんので、あとはその税理士や会計士の方との相性が合うかどうか、同じ方向性を共有できるかどうかのほうが重要でしょう。

もし「税理士の事務所と会計士の事務所、どっちに依頼したらいいのかな」と悩んでこのページに迷い込まれた方がいた場合、両方会ってみて相性を確かめてみることをおすすめします。

 

 

 

 

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