個人住民税をダイレクト納付で支払う具体的手順 eLTAXの地方税共通納税システムで便利な自動引き落としをしよう!

超入門編

 

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

2019年10月よりeLTAXの地方税共通納税システムがスタートし、個人住民税をダイレクト納付(口座からの自動引き落とし)で支払うことができるようになりました。

 

「特別徴収」といって、給与から住民税を天引きして支払う方法にしている会社に限るのですが、銀行へ通う必要がなくなりとても便利です。

(そもそも「特別徴収ってなに?」という方は、まずは『住民税の仕組みざっくり図解 「特別徴収」と「普通徴収」って?』をご覧ください!)

 

そのダイレクト納付をするための手順についてまとめてみました!

 

個人住民税の特別徴収を、法人の口座から自動引き落としする方法

事前に準備が必要な場合もあるため、

  • 事前準備3つ
  • 納付の具体的手順2つ

の2つに分けて解説していきます!

(事前準備は1回やればOKです)

 

 

地方税でダイレクト納付をするための事前準備

まず、事前に準備しておくことが3つあります。

  1. eLTAXの利用者IDの取得
  2. ダイレクト納付をする口座の登録
  3. 提出先の追加(利用届出の変更)

 

時間がかかる可能性があるので、念のため2~3週間ぐらいは余裕をもって準備を済ませておくことをおすすめします。

 

 

準備1 eLTAXの利用者IDの取得

まず、eLTAXの利用者ID(地方税の電子申告用の番号)を取得しておく必要があります。

abc12345678

みたいな「英字3桁+数字8桁」の番号です。

 

まだ無い方は、eLTAXのこちらのページに飛んで、下の「利用届出(新規)の手続きを開始する」から手続きをしてください(詳細は今回割愛)

 

会社さんがこの手続きをする場合、税理士さんがすでに取得している可能性もあるので、一度お問い合わせをおすすめするでやんす。

 

 

準備2 ダイレクト納付をする口座の登録

事前に「この口座から引き落とします」と口座を登録しておくことが必要です。

(この手続きに2~3週間かかる可能性があります)

 

こちらの手順は『eLTAXのダイレクト納付手続き 地方税共通納税システム事前登録方法』をご参照ください!

 

 

準備3 提出先の追加(利用届出の変更)

これが独特の概念でわかりにくいのですが、eLTAXは 利用者IDを取得しただけでは手続きができません

 

 

イメージとしては、こんな感じ(↓)でまず利用者IDを取得したあと、

 

 

こんな感じ(↓)で、「どこに」「何を」手続きするかを事前に登録しておかなければいけません。

 

 

この「どこに」「何を」を登録しておくことを「提出先の追加(利用届出の変更)」といいます。

 

 

今回やりたい「個人住民税」は「特徴」という文字がついています。

 

従業員がいる市区町村の数だけ提出先の追加が必要 です。

(正社員もパートもアルバイトも関係なく)

 

ただ、毎年1月に市区町村に提出する「給与支払報告書」を電子申告していれば、通常そのときに提出先を追加しているはずです。

 

給与支払報告書を電子申告していない場合で、もしダイレクト納付がしたいだけであれば、納付書の来ている市区町村を登録しておけばとりあえず住民税の支払いは可能です。

 

 

PCdesk(WEB版)では提出先の追加ができない!

ただ、この提出先の追加(利用届出(変更))は、eLTAXに問い合わせたところ 2019年10月現在PCdesk(WEB版)ではできない そうです。

(ブラウザの操作だけではできない、という意味です。スマートフォンで操作できるPCdesk(SP版)もダメ)

 

PCdeskにはダウンロード版(DL版)と、ブラウザで操作できるWEB版があるのですが、「提出先の追加」をしたい場合、ソフトをダウンロードしておく必要があります。

もしくは税理士が使うような専用ソフトでは追加できるものもありますので、顧問税理士がいる場合はそちらに頼むのもひとつでしょう。

 

一応、回答のときにもらったPCdesk(DL版)の手順を貼り付けておきます。

1. 「メインメニュー」から、[利用者情報に関する手続き]をクリックします。
2. [提出先・手続き変更]をクリックします。
3. [提出先編集]→[提出先・手続き情報追加]の順にボタンをクリックします。
4. 「地方公共団体」の隣にある、[検索]ボタンをクリックします。
5. 「地方公共団体選択」画面で、追加する団体を「都道府県」→「市区町村」の順に選び、[選択]ボタンをクリックします。
6. [絞り込み検索]ボタンをクリックして、一覧に表示される提出先・申告税目を絞り込みます。
※ さらに、「区・事務所等」、「申告税目」を指定して、絞り込むことも可能です。
7. 一覧から、追加する「区・事務所等」、「申告税目」の順にチェックを入れ、[追加]ボタンをクリックします。
8. 「提出先一覧」に表示されたそれぞれの税目について、「課税地」、「事務所名」を入力します。
※ 複数の提出先にチェックを入れ、[課税地一括入力]ボタンをクリックすることで、同じ情報を入力することも可能です。
9. すべての提出先・申告税目について入力が完了したら、[確定]ボタンをクリックします。
10. 「提出先一覧」画面で、[次へ]ボタンをクリックし、追加した情報を送信します。
「利用届出送信結果一覧」画面で、「正常」と表示されたら終了です。

 

 

 

個人住民税をダイレクト納付で支払う具体的手順2つ(実際の画像つき)

上の3つの事前準備が終わったら、いよいよダイレクト納付に進みましょう!

 

こちらは2つ手順がありますので、分けて見ていきましょう。

  1. 金額の登録
  2. 納付の手続き

 

なお、eLTAXは平日8:30~24:00 しか操作できません。

土日や祝日はできないので、注意しましょう!

 

 

手順1 金額の登録(手入力Ver.)

まず、「どの市区町村に」「いくら払うのか」を登録していきます。

特別徴収をしていると、毎年6月ごろ「決定通知書」という紙が届きますが、紙で通知を受け取っているときはこちらの手順となります。

 

 

↓ まず、こちらのPCdesk(WEB版)を開いてください

https://www.portal.eltax.lta.go.jp/apa/web/webindexb#eLTAX

 

 

↓ 環境によってはこのメッセージが出ますが、無視してもわりと進められます

 

 

↓ 「利用者ID」と「パスワード」を入力

 

 

↓ 「納税メニュー」をクリック

 

 

↓ 「個人住民税(特徴)」をクリック

 

 

↓ 「手入力による作成」で年度を選択し、「次へ」

 

※ 8月10日納付分以降は、入退社した人がいないかぎり同じ金額になるはずなので、「過去の納付情報をもとにして作成」で省略することもできます

※ ファイルがある場合は取り込むこともできます

 

 

↓ ちなみに住民税の年度は「4月~翌年3月」です。納付書や決定通知書にも書いてあります

 

 

↓ 会社名などが自動表示されます。左下の「追加」をクリック

 

 

↓ 地方公共団体などを選択して「納付・納入金額入力」をクリック

 

注意!
ここで「地方公共団体」などに、ダイレクト納付をしたい市区町村が出てこない場合は、事前準備の「提出先の追加」ができていません!
こちらのリンクから戻って提出先の追加をしましょう!

 

 

 

↓ 納付金額を入力し、右下の「確定」を(金額は納付書などに書いてあります)

 

 

↓ 金額が反映されます。確認してOKなら右下の「送信」

 

 

↓ 会社情報は自動で呼び出されているのに、「送信」するとなぜかエラーがよく出ます。特に会社名に伸ばし棒がある場合、このエラーメッセージの「-」をコピペすると通るようになります

 

 

↓ ちなみに「まとめ納付見出し」というところに、該当の年分を書いておくとあとで見てわかりやすいです(空白でもOK)

 

 

↓ 確認のメッセージが出るので「はい」を。これで金額の登録は完了です!

 

 

 

手順2 納付の手続き

次は、この登録した金額を納付する手続きに進みます。

 

↓ 左下の「納付情報発行依頼の確認・納付」をクリック

 

 

↓ 無事に金額が登録できていれば、「納付情報一覧」に出てきます。

 

クリックできない?
金額が出てきてない場合、金額の登録がちゃんとできていないことが考えられます。一旦戻りましょう!
また、「納付状況」はすぐに「納付可」になることも多いですが、月末などで混雑しているとすぐに「納付可」にはなりません。
その場合、30分~1時間ぐらい置いて、再度アクセスしてみましょう。

 

 

 

↓ OKなら「次へ」を

 

 

↓ 改めて情報が出るので、確認して「次へ」

 

 

↓ 口座を確認し、「ダイレクト方式」をクリック、また納付日を指定しつつ「次へ」

 

 

納付方法ってなに?
・インターネットバンキング ⇒ Pay-easy(ペイジー)での納付
・ダイレクト方式 ⇒ 口座からの自動引き落とし
を意味します。お好きなほうを選びましょう(ダイレクト方式が選べるならそちらが楽なのでおすすめです)。

 

納付日を指定すべき?
住民税の納付は、翌月10日(土日の場合は翌営業日)が最長の期限です。
資金繰り上「支払いはなるべく遅く」が重要なので個人的には期限ギリギリをおすすめしていますが、すぐに払っても問題なければ「今すぐ納付を行う」でOKです!

 

 

 

↓ 最終的な確認画面です。こちらで「印刷」をおすすめしつつ、OKなら「次へ」を

 

 

これで納付も完了です! おつかれさまでした!

 

 

 

まとめ 地方税共通納税システムのダイレクト方式による納付方法

というわけで、

 

▼ 事前準備3つ

1.eLTAXの利用者IDの取得

2.ダイレクト納付をする口座の登録

3.提出先の追加(利用届出の変更)

 

▼ 納付の具体的手順2つ

1.金額の登録

2.納付の手続き

 

に分けて、実際の画像とともに解説しました。

 

ちなみにこの手順を完了したあと、トップページに戻って「メッセージ照会」をクリックすると、最終的な情報を見ることも可能です。

(見ても見なくてもどちらでもOK)

 

さらにちなみに、個人住民税としてまとめていますが、ほかの税目でも大体似たような感じです。

さらにさらにちなみに、「普通徴収の場合は?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、普通徴収は個人の口座振替とかでやっておけばいいんでないかという個人的意見。

 

「特別徴収にしましょう!」という手紙が市区町村から来るたびに「まず納税のしやすさを整備しろや」と殺意を抱いていた方(私)にはとても便利なダイレクト納付。

毎月銀行へ行くのに憂鬱になっていた方はぜひ活用してみてください!

 

 

 

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