資本金10万円はやめてくれ 会社設立時の最大のデメリット「銀行口座がつくれない」

超入門編

 

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

早速結論でなんですが、2019年現在

資本金10万円以下で会社をつくるべきではない

と、私はいち税理士として考えています。

 

これは、

銀行口座をつくるときに断られまくる可能性がある

というのが単純な理由です。

(先々を考えてもあまりメリットがない)

 

この点について簡単に解説していきます。

 

「もう結論わかったからいいぜ!」という方は次のステップへ!
⇒ 『ざっくり解説!会社設立の流れと事前に決めておくべき12のこと』

 

2019年現在資本金10万円はやめたほうがいい 法人設立時に絶対気をつけてほしい注意点

私も以前、結構前に『資本金はいくらにすべき? 資本金を決める時の注意点』

「資本金10万円が最低限かな」

ということを書きました。

 

が、私が独立してからの3年弱のあいだに、単発のご相談を含めて多くの開業間もないお客さまとお話ししている中で

どんどん銀行口座がつくりにくくなってきている

と感じることが増えました。

 

端的に言うと、

資本金はできれば100万円、最低でも50万円

というのが私の執筆時点での感覚です。

 

 

すでに活動の実績がある会社であれば何も問題なくつくれるのですが、過去いらっしゃったお客さま(資本金10万円)で

  1. 会社設立後すぐで特段の活動実績がない
  2. 銀行口座をつくりに行ったら「何か活動実績があれば」と言われる
  3. 「まず銀行口座がないと活動できなくない?」という反論をするも聞いてもらえず

といったことがありました。

 

正直銀行(金融機関)はお役所に似た雰囲気があり、インターネットバンキングなんか操作してても思いますが「ユーザビリティなんぞより『自分たちはここまで安全を考慮しました』と主張できること(保身)が大事」というのが私の印象です。

「マネーロンダリングなどの犯罪に使われる可能性があるなら、零細企業をひたすら断りまくったほうがよい」という判断をすることがある、というのは肝に銘じておきましょう。

 

 

「おれは資本金1万円でも通帳つくれたよ」という意見を聞かないほうがいい理由

なお、すでに資本金10万円以下で設立された法人で、銀行口座も問題なくつくれている、ということであれば何か文句を言うつもりもございません。

 

当記事の対象はあくまで

これから会社をつくろうと考えていて、「資本金10万円ぐらいでいいかな」と考えてる方向け

です。

 

『資本金はいくらにすべき? 資本金を決める時の注意点』でも書いたように、資本金10万円で口座がつくれなかった場合増資(資本金をあとから増やすこと)を検討することになりますが、その際 登記費用(最低3万円)が余計にかかります

 

 

「おれは資本金1万円でも問題なかったよ」

という意見がまわりにあるかもしれませんが、こういうのはタイミング(時期)とその会社の状況がものすごく大切です。

その意見を信用して資本金1万円で会社をつくり、銀行口座をつくれなかった場合、時間と手間とお金を浪費することになるのはあなたです。

 

よっぽどお金に余裕がないなら別ですし、資本金10万円で口座をつくれたケースも全然あるので微妙なところではありますが、軽く考えて将来の自分の時間やお金をムダにしないようにしましょう。

 

 

資本金10万円は株式会社も合同会社も関係がない

また、

株式会社も合同会社も関係なく資本金10万円で断られた

ケースも見ています。

(事業の目的もそんなにおかしな内容ではない)

 

実際ここが審査に影響するかは定かではありませんが、「株式会社だから大丈夫だろう」という考えは抱かないようにしましょう。

 

 

資本金が少ないと将来の借入に影響することも

また、「将来的にお金を借りる可能性があるかも」という会社はなおさら資本金10万円はやめておきましょう。

 

特に創業融資(事業をはじめたばかりの方向けのお金を貸してもらえる制度)を受けるには「自己資金」といって、「事業をはじめるためにいくらお金を自分で用意できたか」が審査の対象になります。

 

この自己資金を示すのは資本金だけではありませんが、少なくとも「資本金10万円」がプラスの評価をもたらすことはまずありません

 

お金を借りるならなおさら「資本金100万円以上」を目標にすべきです。

 

 

とはいえ目的なく「資本金1,000万円以上」はやめよう 消費税の納税義務が発生する

これも『資本金はいくらにすべき? 資本金を決める時の注意点』で書きましたが、

「それならとにかく資本金が大きければいいんだろう。5,000万円だ!!」

というのはやめておきましょう。

 

資本金1,000万円以上になると、会社を設立した1年目から消費税を払う義務が発生してしまいます

 

消費税は、多くの会社で、「会社が納める税金の中で一番金額が大きくなるもの」です。

この消費税が会社のお金に与える影響を、絶対に甘く見てはいけません。

 

最初から上場を目指して出資してもらう等の理由がなければ、資本金は999万円以下にしておくことが重要 です。

 

 

 

「資本金10万円を絶対に避けるべき理由」まとめ

というわけで、

  • 資本金10万円は銀行口座がつくりにくくなっているからやめよう
    (できれば100万円、最低でも50万円)
  • 株式会社でも合同会社でも同じ
  • とはいえ資本金1,000万円以上もやめよう

という内容をまとめました。

 

銀行口座というのは、企業が活動する要となる部分であり、銀行口座なしに真っ当な会社とは思ってもらえません(2019年現在)。

 

単発のご相談をお受けしていて、「まだまだあるな」と感じたため、あえて「資本金10万円」に絞って書いてみました。

この記事で、1社でも多くの会社の遠回りを減らすことができたら嬉しいです。

 

 

 

この記事の次のステップはこちら!

1.資本金以外のことも知りたい!

『ざっくり解説!会社設立の流れと事前に決めておくべき12のこと』

 

2.実際に会社設立するぞぉ!

『自分で会社つくれるもん!会社設立freeeで実際に設立してみた』

 

 

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