〔勘定科目〕消耗品費と事務用品費の違いって? どうでもいいいんじゃないかしら

超入門編

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

私が会計ソフトというものを使っていてどうしても気になった疑問として、

  • 消耗品費
  • 事務用品費(事務用消耗品費)

の2つの勘定科目を見て、

「これなにが違うの?」

と思ったことがあります。

 

結論は「なんでもいいんじゃないっすか」なんですが、これに対して考えたことを少し書いてみます。

 

「消耗品費」と「事務用品費」を悩む時間がムダ

私が税理士業界に入った当初、会計ソフトというものをおそるおそるさわってみていて、よく言われたのが、

「とりあえず去年と同じ処理をしとけばいいよ」

ということ。

(これ自体は、単純に「変えるのが嫌だから」というより、簿記に「継続性の原則」というものがある影響が大きいです)

 

なるほどと思いながらやっていたものの、とある会社さんの処理をしていて出てきた疑問として、

「消耗品費と事務用品費という勘定科目があるけど、これなにが違うんだ? どう使い分けたらいいんだ?」

と思ったことがありました。

 

 

 

「消耗品費」と「事務用品費」の違い

「消耗品費」と「事務用品費」のなにが違うのかを考えてみたところ、

  • 消耗品費 ⇒ 日用品や文房具など、消耗してなくなってしまうもの
  • 事務用品費 ⇒ 文房具などの事務につかうもの

ということで、考えれば考えるほど、

「これほとんど同じじゃねえか」

としか私には思えませんでした。

 

あえて言うならたとえばコピー代。

コピーをすること自体は消耗するものではないし、ただ事務の費用とは言えるしで、「事務用品費にすることがふさわしい費用がある」という違いがあると言うことはできるかな、ぐらいのものです。

(ものすごく無理やりですが)

 

 

 

会社規模が大きくなると「事務用品費」の金額がそこそこ大きくなる?

そこで先輩に、

「事務用品費の存在価値ってなにかあるんですかねえ」

と鼻をほじりながら軽く聞いてみたところ、

「まあ会社規模が大きくなればそれなりの金額になるし、そうなったときには分ける意味があるんじゃないの」

と鼻をほじられながら言われました。

 

なるほど、たしかに会社規模が大きくなれば事務用品費も100万円とかの金額になるのですが、一方で事務用品費の売上に対する割合(パーセンテージ)で考えると結局誤差の範囲にしかならない、ように私には感じられたのです。

(0.3%とか、結局1%もいかない感じ)

 

 

 

結論 「事務用品費」は切り捨てることにした

ということを考え、たとえばコピー用紙を買ったときに

「これって消耗品費かな? 事務用品費かな?」

消耗品費か事務用品費か迷う時間そのものがムダであるという結論に達して、「継続性の原則」というものに反しない限りでとにかく「消耗品費」に統一していくことにしました。

 

それはいまでも継続していて、弥生会計であるとかfreeeであるとか、デフォルトで「事務用品費」が設けられている会計ソフトのときは勘定科目を削除したり検索に引っかからないようにしています。

お客さまから「これって事務用品費ですか?」と聞かれたときも「事務用品費などというものは存在しないのです。忘れてください」とお答えしてから削除するなどしています。

 

事務用品費は死滅せよ

私はこれ経理業界特有のムダなこまかさというか、そのこまかさから生まれた産物というか、「事務用品費などという勘定科目は死滅せよ」と思っているのですが、この記事を書く際にちょっと検索してみたところそんな論調のものがほとんど見られなかったので、前々から思っていたことを書いてみました。

 

唯一共感できたのはBalanceというブログを書いておられる税理士佐竹さんの『「消耗品費」と「事務用品費」を分けますか?勘定科目はシンプルに分かりやすく』という記事です。

こちらでは「経営判断に必要な情報を提供する」ことが本来の目的だと書かれていて、まさしくおっしゃるとおりだと首をブンブン振って頷きました。

 

 

なぜきちんとした経理が必要なのかといえば正しい経営判断をする材料にするためです。

「なんとなく細かいから正しいっぽい」ではなく、小さな処理であっても、しっかりとした目的意識をもって選択していきたいものですね。